日本語には、英語や他の言語には直訳しにくい独特の表現があります。その代表が「授受動詞(Giving and Receiving Verbs)」です。
単に「誰かが何かをした」という事実だけでなく、「誰かのおかげで私は助かった」「恩恵(Benefit)を受けた」という感謝の気持ちを文法の中に込めることができるのです。
1. 「~てもらいます」の基本構造
「~てもらいます」は、誰かがあなたのために何か行動をしてくれて、あなたがそれを受け取る(利益を得る)に時に使います。
(I) receive (action) from (person).
ここでの重要なポイントは2つです。
- 主語 (Subject) は「私(I)」です。
- 行動してくれる人には助詞の「に (ni)」をつけます。
例文で見てみましょう
私は 田中さん に 日本語 を 教えてもらいました。
watashi wa tanaka san ni nihongo o oshiete moraimashita
Mr. Tanaka taught me Japanese.
(Literal: I received the favor of teaching Japanese from Mr.
Tanaka.)
私は 友達 に 料理 を 作ってもらいます。
watashi wa tomodachi ni ryouri o tsukutte moraimasu
My friend will cook for me.
(Literal: I will receive the favor of cooking from my friend.)
2. 「~てくれます」との違いは?(超重要!)
学習者が最も混乱するのが、「~てくれます (Te-kuremasu)」との違いです。
実は、表している事実は同じですが、「カメラの視点(主語)」が違います。
| 文法 (Grammar) | 主語 (Subject) | 助詞 (Particle) | 視点 (Focus) |
|---|---|---|---|
| ~てもらいます | 私 (I) | 人に (ni) | 「受け取った私」が中心 (I got help.) |
| ~てくれます | 相手 (Giver) | 私が (ga) | 「してくれた人」が中心 (They gave help.) |
以下の2つの文は、同じ状況を表しています。
-
① 私は 山田さんに 傘を貸してもらいました。
(主語は「私」。私が恩恵を受けたことを強調) -
② 山田さんは 私に 傘を貸してくれました。
(主語は「山田さん」。山田さんの親切な行動を強調)
自分の感謝の気持ちや、「そのおかげで助かった」と言いたいときは「~てもらいました」を使うことが多いです。
3. 敬語バージョン「~ていただきます」
目上の人(先生、上司、先輩)に何かをしてもらった時は、「もらいます」を謙譲語(Humble form)の「いただきます」に変えます。ビジネスシーンでは必須です。
先生 に 作文 を 直していただきました。
sensei ni sakubun o naoshite itadakimashita
The teacher corrected my essay (and I am grateful).
社長 に 手紙 を 書いていただきました。
shachou ni tegami o kaite itadakimashita
The company president wrote a letter for me.
4. よくある質問:「に」VS「から」
相手を示す助詞は、通常「に (ni)」を使いますが、場合によっては「から (kara)」も使えます。
- 人 (Person) の場合: 「に」が基本です。(「から」もOK)
例:友達に借りました。 - 組織・学校 (Organization) の場合: 「から」を使います。
例:大学から奨学金を払ってもらいました。
5. まとめと練習
「~てもらいます」は、日本人の「おかげさまで」という謙虚な心を映す美しい文法です。
最近、誰かに親切にしてもらいましたか?それを「私は~さんに、~てもらいました」の形にして言ってみましょう。
- 例:彼に 荷物を 持って もらいました。
- 例:店員さんに 写真を 撮って もらいました。
この表現を使って、周りの人への感謝を日本語で表現してみてくださいね!
⚡ 練習クイズ (Practice Quiz)
「~てもらいます」の使い方を確認しましょう!